2月22日〜2月23日
波の音ってこんなに大きかったっけ?
観光地によりながらフエから1日かけてホイアンに向かうツアーがあった。そのツアーバスの最初の目的地がランコービーチだった。
ランコービーチ。そこは、ただの海。何もない海岸だけど、海風が気持ちよくて、波の音がすごく大きく感じた。海の色は茶色。でも、気持ちがいいのでしばらくそこにいた。 ビーチの後、ハイヴァン峠までの道は、その海が見下ろせて、ずっと景色が良かった。バスで走りながら、思わず窓を開けて写真をとってしまったくらいだ。峠は風が強くて、少し寒いくらいだった。大勢の売り子たちをかきわけて、砦のあるところへ行った。それは、戦争中、日本軍やサイゴン政府軍が使ったらしい。ここも、見晴らしが良かった。
ダナンの町を過ぎると、次は五行山(マーブルマウンテン)だ。 着くとすぐに、ガイドからパゴダまで5分で登れるから、30分で行って帰ってくるようにと言われた。 石段を登っていくと確かにお寺があり、他にも行く所がたくさんあった。30分でまわるのは厳しいなと思ったけど、全体が見渡せる所に、どうしても行きたかったので、歩き回った。 お寺の先には洞窟もあって、さらに奥に進むと、丸く大きな穴があいたようになっている岩があって、そこから下に海と寺が見えた。 そして、次に大きい洞窟で、上から光が差し込む寺があった。光の差し込み方が本当に神様が舞い降りてきそうな、神々しい感じがした。 でも、まだ山の上から全体を見下ろすような所に行っていない。と向こうに展望台が!!これだ!!と小走りに登っていき、時間がないので、さっと見て、大急ぎで山を降りた。
ホイアンには昼過ぎに到着した。夕方から夜にかけて、ホイアンの街はいい感じになる。ランタンがあちこちにともって、灯ろう流しもやっていた。まるで時代も国も違う場所に迷い込んだかのような、そんな感じになっていた。「千と千尋の神隠し」を思い出した。(映子)
ホイアンはフエからニャチャンに行く途中にある町なので、ホイアンで途中下車または、バスを乗り換えて、2,3時間だけ見てまわる人も多い。フエからホイアンに向かうバスで出会った学生のグループもそうだった。ホイアンをすっかり気に入ってしまった僕にとって、それは、気に入った女の子が軽くあしらわれているようなもので、あまりいい気がしない。「ホイアンはこんなに雰囲気のいい町なんだからもっとのんびりしていけば」と言いたくなる。もちろん、そんなこと余計なお世話なので決して口にださないが・・・。 その日の夜のホイアンはスペシャルだった。旧市街の町の明かりが消え、数多くのランタンの灯りだけがともる。川には、これまた数多くの灯籠が流れていて、その光景はこの世界のものとは思えないほど幻想的なものだった。月に2回くらいはこんな夜があるらしい。そんな時、ホイアンには1泊もせず、夕方のバスでそそくさと行ってしまった大学生の彼らに勝ち誇った気になってしまう。その後、ベトナムを旅した人に、ベトナムでどこが良かったですか?、とたずねるようにしているが、ホイアンという答えが返ってくると、そりゃうれしいもんだ。だから、どうなるってことでもないんだけどね。(昭浩)
チャンパの遺跡、世界遺産でもあるミーソン遺跡へ行った。バスでかなり走った後、レストランのようなところの前で降ろされた。少し歩いて、チケットを買い、橋を渡るとジープかミニバスに乗る。しばらくいくとSTOPサインがあって、そこからさらに歩いていくと休憩所みたいなのがあり、すぐに遺跡が見えてくる。遺跡は思っていたより広くて、立派なものだった。確かに、戦争で、かなり破壊されていたけれど。
ここは山に囲まれていて、そう簡単には入ってこれない、神聖な場所なのだ。もともとは、チャンパ王国の聖地だったところに、15世紀にチャンパのプリンセスがベトナム人と結婚したので、キングが土地を半分あげたそうだ。そのために、ベトナム人に占領されることになってしまったらしい。そして、ベトナム戦争のとき、ベトナム人が隠れるためにやってきたために破壊されて、大きな爆弾のクレーターまでできてしまったのだ。悲劇の遺跡、ミーソンには、それでも建物や彫刻が残っていた。ヒンドゥー教のシヴァ神と王をまつっている。神様と王様を一体化させているところ、1人の王様に1つの建物というところも、クメールの遺跡、アンコールワットと似ている。(映子)
ミーソン遺跡では、シンガポーリアンのカップルに出会った。 彼らと会うのはこれで3度目。しかし、言葉を交わしたことはない。 はじめに会ったタムコックでのツアーでは、昼食のとき同じテーブルになりながらも一言も口をきかなかった。 会話するタイミングを逃して、なんかへんな間というか空気が流れて、その後、いまさら言葉交わすのもなんだしなあ、みたいな感じになって結局お互いしゃべらないまま。 そんなお互い無視しつづけた彼らなのだが、3度も偶然に顔をあわせてしまうと、お互い笑って「なんで、自分たちのいくところにいつもいるんだ」てな具合に話がはじまり、話題はお互いに好きな村上春樹の小説なんかにまでおよび、すっかり打ち解けて仲良くなってしまった。 それまで敬遠していた相手とちょっとしたきっかけで仲良くなってしまう。 それが、なんか妙にうれしかったんだ。 忘れられないチャンパー王国の聖地での再会だった。(昭浩)