11月11日〜11月16日
今日は張家界を去る日だ。
青い空にそびえたつニョキニョキを後にして、私たちは長沙へ向かった。
運良く硬臥(寝台席)の当日切符が2枚とれた。
15時すぎに発車してから暗くなるまでずっと窓の外の景色を見ていた。
中国では、牛とかヤギとかにわとりとかいろんな動物が放し飼いされているようで、
畑の中や道などいたるところにいる。 そんなのどかな風景を眺めていた。大きな川を2回ほど渡って、いよいよ夕暮れが迫ってきた。
長沙に着いたのは、夜8時30分ごろだった。
次の日の上海行きの切符を買おうとしたが、14日まで「没有」(=ないよー)だった。
明日旅行会社に行ってみることにして、宿へ歩いた。
長沙の街もまた、とても都会だ。
ビルやマンションやホテルが立ち並んでいる。
駅前に大きな噴水があって、そこからまっすぐ大通りがのびている。
見所は郊外にある毛沢東の旧居と博物館のミイラくらいかな。
あまり行きたいと思うところがないのでできればすぐ上海に行きたい。
中国は、田舎と都会の差がはげしい気がする。
また、貧富の差もはげしい。
でも田舎に住んでいる人が必ずしも貧しいとは限らないし、また、もしも貧しかったとしても、
のほほんと幸せに暮らしている人、儲けようと必死になっている人、物乞いする人と本当に様々だろうなと思う。
(映子)
今日はおいしいワンタンの朝食の後すぐに旅行会社へ行った。
「今日のチケットとれるかな」
桜井幸子似のかわいいお姉さんが、「20分待って」と片言の英語で言った。
しばらくすると怪しい男が旅行会社のオフィスにチケットを持ってきた。
席は離れているけれど、今日の夕方の列車の硬臥(寝台席)の切符を手に入れることができたのだった。
昼食後インターネットカフェへ。
カフェといってもコーヒーが飲めるようなところではなく、コンピューターが並んでいるだけ。
ゲームをしている人が多い。
フロッピーが使える場所がなかなか見つからず、4、5軒回った。
たくさんインターネットができるところがあるのはすごいんだけれど、日本語が書けるところは、まずない。
今のところ北京だけ。メールチェックをしてローマ字でメールを書いた。
時間がまだあったので、上島コーヒー(UCCの系列らしい)という喫茶店で時間を潰すことにした。
しかし、メニューを見てビックリ。コーヒー1杯25元(375円)もするのだ。
メニューを見た瞬間その場から逃げようかと思った。
コーヒーは贅沢品らしい。
中国でも大量にコーヒー豆を生産しはじめれば、もう少し安くなるのかもしれないのだが・・・。
それから、その日の18時に上海行きの列車に乗り込んだのだった。(映子)
朝8時上海に着いた。
駅のタクシー乗り場に行ったけれど、目的の宿まで「60元」とふっかけてくるやつらばかり。
仕方がないので、その場を離れ、通りを走っているタクシーをつかまえた。
ホテルまでメーターで22元だった。
着いたホテル「浦江飯店」のドミトリールームは男女別の部屋だった。
欧米人の多い部屋だったが、となりのベッドが日本人の女の人で、女性二人旅らしい。
上海ガニを4人で食べようという話で盛り上がった。 (映子)
豫園、ある昔の役人がお父さんのために19年もかけて造らせた庭らしい。
中に入ると、建物と庭がいくつもの壁で仕切られている。
その壁には、おもしろい形の穴が開いていてそこが通り道になっていた。
またその通り道が迷路のようになっている。自分がどこにいるか分からなくなる。
でも、迷いながらその庭をまわるのが楽しい。
茶色っぽい朱塗りの建物に黒い瓦屋根、庭を隔てる壁は白、そのコントラストがきれいだった。
夜は上海雑技団を見に行った。
すごい技の連発で最初から最後まで目が離せない。
大声で笑ったり、驚いたりしたのでのどが痛くなるほど。
特に壺を投げたり回したりする男と丸い筒の上にコップと板を積んでその上に立ち、
頭の上に足で蹴り上げた器を乗せていくミッチー似のお兄さんが印象的だった。(映子)
水郷の町・周荘、上海で一番行きたかったところだ。
そこは、日本でいうと多分「柳川」みたいなところで、古い町並みの中に小さな川が井の字型に流れている。
そこを小船で遊覧できるのだ。
細い道を歩いて町並みを見ているだけでも楽しい。
その中でも良かったのが全福塔と全福寺。
全福塔は、あまり高くないけど、水郷の町が上から見渡せる。
全福寺は、湖の上にお寺が立っていて、そのお寺の湖に映っている姿がとてもきれいだった。
夜は、上海ガニを食べに行った。
「地球の歩き方」に載っていた老舗は、高級店の雰囲気が漂っていた。
しかも、混んでいて、接待をしている日本人が多かった。
「これは、きっと値段も高いぞ!」 と思って入ると、やはり高かった。
でも、係りのお姉さんは、すごくいい人で予算に合わせてメニューを選んでくれて、
私たちは、一人100元(1500円)で5品のカニ料理と2匹の上海ガニを存分に楽しんだ。(映子)
上海ガニは、小さくて食べる所が少ないと言われているが、そのとおりだと思う。
僕は肉のたくさん詰まったタラバガニの方が好きだ。
でも、 「上海ガニって小さいなあ」とか 「高い割に食べるところ少ないなあ」 「隣のテーブルは、一人一匹上海ガニ食べていていいなあ」 などと言いながら、上海ガニを話題にしてのその食事は、とても楽しく思い出に残るものだった。(昭浩)
昼ごろ宿の下のインターネットカフェにいると、上海ガニを一緒に食べに行った女の子二人組が、夕食一緒に食べよう!と誘ってくれた。
しかも中国のお金が余っているからとお言葉に甘えて、全部おごりで食べに行った。
プリプリのエビ、鴨、ふかひれとカニ肉のスープ、チャーハンなどなど豪華メニューの連続。
とにかくおいしくて幸せ…そして楽しかった。
さらにナイトクルーズまで誘ってもらったので、またまたお言葉に甘えて行く事にした。
外灘の夜景は、近くで見るより船から見たほうがきれいだ。
なんだかウキウキしてうれしい気持ちでいっぱいだった。
クルーズの終わりの方は、少し寂しい気がして、上海も今日で終わりかあ、
とまた来るんだけどそう思って、まだまだこの船に乗っていたいと思った。
ホテルで出会った二人のおかげでこの上海ステイがとても楽しくて充実したものになったと思う。
二人に、そしてこの出会いに心から感謝したいと思った。(映子)
(11月17・18・19日 上海から日本へ一時帰国)
今日はいよいよ日本に向かう日。
でもだんな(昭浩)はむちゃくちゃおなかをこわしている。
大丈夫かな?おとといのカニ?昨日のごちそう?慣れない物食べたせいかなあ?
昨日ごちそうになった二人と一緒に港へ行き、船に乗った。
そして、ごはんを食べたらすぐに卓球大会が始まった。
17日も18日も日本人5人で交代しながら、ずーっと卓球していたので、あっという間のたのしい船旅だった。
そして、18日の深夜1時ごろ、しし座流星群がやってくると聞いていたので、外に出てみた。
するとすごーく長い流れ星。
今まで見たことがないくらい長くハッキリと見えた。
思わず興奮して、みんなを呼びに行った。4人で持ってきた銀マットに寝転がって満天の星空を見ながらしし座流星群を待った。
「すごい!すごい!すごーい!」
たくさんの星たちがあとからあとから流れてくる。数え切れない程流れた。いっぱい願い事をした。(映子)