12月21日〜25日
だんな(昭浩)念願のトレッキングだった。
虎跳峡は世界で一番深い谷である。
情報は少なかったけれども、とにかく行ってみれば何とかなるかなと思っていた。
今までもそうだったように。でもそれは甘かった。
私たちは山を甘く見ていたのだ。
麗江からバスで橋頭に着いたのは、朝の10時半。
それから約6時間、ずーっと山の中を迷いに迷って、歩きまくったのだった。
つらかった。
本当につらかった。
もう二度とこんな思いはしたくない。
途中、何度か道を聞いて、最後に民家で道を聞いたら、そこのおやじがゲストハウスまで連れて行ってくれた。
その途中の道は、ひどいとげとげいっぱいで、道とは言えないような道だったので、
「なんだよー。おやじー。どこに連れてくんだー?」
と思いながらついて行ったけど、今はすごく感謝している。
そこは、普通に歩けば、2時間くらいで着くところで、予定の所より全然手前だったけど、
景色もよく、食事もおいしくて良いところだった。
宿泊客はアメリカ人カップルとスペイン人カップルがいて、
私たちと6人で炭火を囲んでいろいろ話ができて良かった。
スペイン人の英語にかなり翻弄されたけど、楽しかった。
朝9時ごろ、アメリカ人カップルと共に出発した。
今日はついて行くだけだったので、気持ち的にもとても楽で、
安心して歩いていけた。
コースは最初に28Bendsという登りの厳しい所があって、
その後は多少アップダウンはあっても楽チンで、
しかも景色がめちゃくちゃ良かった。
山も谷も、道も滝も、
そしてはるか遠く下の方に見える長江も何もかもきれいだった。
2時ごろゲストハウス(本当は昨日泊まる予定だったところ)で昼食を食べて、
また先へと歩いた。
3つくらい滝を越えた後、地面がぬれている坂道で、
アメリカ人の奥さんの方が滑って転んでしまった。
泥だらけになってしまったけど、すごい崖っぷちとかじゃなくて良かった。
5時ごろ、また別のゲストハウスに着いた。
アメリカ人カップルはもう少し先まで行くと言って行ってしまった。
私たちはここに泊まった。
部屋からは山が見え、夕日に映える山はとてもきれいだった。
今日のトレッキングは、本当に良かった。
今までの山歩きの中では、ダントツでNo1だ
朝9時ごろ、荷物をゲストハウスに預けて、中虎跳石というところへ行った。
崖をどんどん下に下りていくと、木の扉があって、そこをくぐってさらに下りていった。
1時間くらいで下(=長江の流れているところ)に着くと、大きな岩に木のはしごがついている所があった。
そこを登ろうとしていると、どこからともなく女の人が現れて、「ガイドをする」と言っているようだ。
その女の人が連れて行ってくれたのは、ものすごい激流のところにある岩の上だった。
一番すごい所のようなので、しばらく座って見ていた。
すごく迫力があって良かった。この女の人は、ここを整備するためにがんばっているようだ。
そして、私たち観光客の安全を一番に考えてくれているようで、料金も良心的だ。
ゲストハウスに戻ると、もうお昼だった。
1時間くらい歩いた所でご飯を食べて、長江を渡るフェリー乗り場までの道のりを歩き始めたらすぐ
「車に乗らないか?」
とお兄ちゃんに言われ、時間がないので乗ることにした。
フェリー乗り場に着くと、フェリーは向こう岸にあって、人の気配もしない。
だんな(昭浩)が叫ぶと、小屋からおじさんが出てきて、船に乗ってこっちに来てくれた。
川を渡るところも、渡ってからも、景色がものすごく雄大で、サボテンなんか生えててアメリカっぽかった。
何だかやっとたどり着いた終点の町という感じがした。
大具の町で一泊して朝7時半ごろバスに乗って、麗江へ帰った。
この町はバス停がないらしく、ゲストハウスの人が前の日に電話してくれてバスが来るらしい。
バスはそうやって予約した人の家をいくつかまわってその人を乗せ、麗江へ向かった。
今日が麗江最後の日、私たちはバスで石鼓へ行った。
石鼓は長江が流れる方向を変える所で、V字型になっていて、長江第一湾と呼ばれている。
歴史に出てくる人物、フビライや諸葛孔明が川を渡った所でもある。
どんな「V」が見られるのか、とても楽しみだった。
でも、バスが到着したのは、まさに「V字」のその地点だったので、
その場で川を見ても、「V字」かどうか分からない。
もっと上の方から見なければ・・・。
ちょうどその時、一緒のバスで来た欧米人のおじさんと中国人の女の子が少し英語で話していたので、
声をかけて一緒にまわることになった。
中国人の女の子がいろんな人に聞いて、どこに行けばいいのか分かったようで、
石碑のあるある所と、石鼓鎮という少し高くなった所に行けた。
でも、やっぱりガイドブックの写真で見たのとは違うなあと思って、物足りなさを感じていたら、
もっと上に見る所があるという。
それは、小学校の中のオフィスみたいな建物の屋上だった。
この辺では、そこが一番高い所だろう。さっきよりは「V」がよく見えた。
ガイドブックの写真には及ばないけれど、そこの景色の良さに私は大満足だった。
中国人の女の子がいなければ、ここまでは来れなかっただろう。(映子)